以前手書きの履歴書が主流の頃は、筆跡による性格の傾向として右肩上がりの方は気が少々強い傾向にあることや、字が小さい方は対人関係や業務に消極的傾向であるなど、履歴書の最初と後半まで乱れなく書ける方は集中力があるなど、往年の人事の方に言わせると「履歴書を見れば、応募者の性格や仕事に対する意欲がわかる」と言われる時代がありました。
ここ10年ほどで手書きの履歴書を持参される割合は、個人的な体感で1~2割と思います。残り8割は、WORDまたはEXCELで作成して印刷して持参さている現状から、筆跡や文字の大きさ、履歴書最初と後半での調子については判断できなくなりました。
そうした事情もあり、字のきれいさなどで加点されることがなくなり、基本的に減点方式に見られることが多くなって来ているように感じます。

デジタルでの履歴書作成で注意すべきこと

WORDまたはEXCELで作成の際は以下の点に留意して、些細なミスで減点されないようにしてください。
・罫線切れ、罫線の太さなど一貫性があるか。
・入力の枠サイズに適当な大きさで入力されているか、また書体やスタイルは意味なく複数種類使われていないか。
・誤字脱字、年月については誤表記はないか。
・著しいインクのカスレや、汚れはないか。
・印刷範囲の設定ミスなどで、適切なところでページが切り替わっていない。
不慣れなアプリ操作で躓くこともあると思いますが、これらについては弊社担当エージェントで作成のお手伝いと添削も含め対応させて頂きますので、その点ご安心ください。

日付

日付の一般的な考え方は、送付する場合であれば発送する日付を記入、また持参する場合は、履歴書を提出する日(面接日)の日付を記入が基本ですが、数日程度過去にずれてしまっても指摘されるケースはないと思います。
ただし、日付が1ヶ月前のものであったりすると応募意思が低い、常識が無いとしてマイナス評価となりますのでご注意いただきたいと思います。
なお、履歴書に記入する年は、西暦か和暦で統一します。 履歴書内で混在しないように注意しましょう。

写真

出来れば写真館などで撮影が理想ですが、時間もお金がもったいないという方も多いと思います。
仕上がり次第ではありますが、スピード写真でも問題ないと思います。
また、WORDなどでデジタルで制作し、画像データとして貼り付けるシーンが増えていますので、スマホなどで納得のいくまで何度でもトライして自撮りしてしまうほうが結果的に良い写真となることもあります。
なお、自撮りの注意点としては、以下の注意点があります。
・スーツ・ワイシャツ・ブラウスなどビジネスにふさわしい服装で撮影すること。
・背景は無地の白い壁紙の前で撮影すること。
・髪は長い方はできれば束ねるなどして、医療人として清潔感のある印象を持たれるよう留意すること。
・撮影後に画像の編集などで若干の補正や修正は問題ないと思いますが、修正しすぎないようにご注意ください。

氏名・捺印

ふりがなは「フリガナ」とあればカタカナで、「ふりがな」とあればひらがなで記入。

氏名は最初に目が付くところです。バランスを考えて、丁寧に記入します。
捺印についてですが、以前は捺印欄のある書式が多かったですが、昨今のDX化の流れで捺印はほぼ皆無となりました。
仮に捺印があった場合は、なるべく曲がらないように曲がるとすれば左に数度お辞儀をする方向に曲げてしっかり圧力をかけて押されると良いです。
ちなみに、大手老舗企業などでは左にわざと曲げて捺印することを儀礼としていることも付け加えておきます。

現住所・電話番号

現住所は都道府県から、建物の名称や部屋の番号まで省略をせず正式な住所を記入します。
住所のふりがなは、漢字だけに付けます。
電話番号は、携帯電話または自宅の電話番号を記入。
連絡先には緊急の場合、確実に連絡が取れる連絡先を記入。

学歴・職歴

学歴、職歴をそれぞれまとめて記入。
学校名、会社名などは略さず、正式名称を記入。
【学歴】
学校名だけでなく、学部や学科、専攻名も記入。
【職歴】
職歴は基本的にすべて記入。学生時代のアルバイトは記入しないのが一般的。
退職した場合は「一身上の都合により退社」、在職中の場合は「現在に至る」と記入。
パート、派遣社員としての職歴のうち、社会保険加入した実績のある職歴は必ず記載します。
具体的な仕事内容は職務経歴書に記入することが一般的ですので、履歴書に職務内容まで記載することはお勧めしません。
履歴書の職歴は転職を重ねるごとに、空欄が少なくなっていく傾向にあります。
採用側としては、長く勤務いただける方を採用したいとの意向がありますので、一般的に職歴が少ない経歴のほうが好まれます。
空欄が多すぎて、不安になってあえて書き足される方が散見されますが、詳細の職務内容については別途職務経歴書に記載するようお勧めします。

資格・免許

持っている免許・資格を取得年順に記入。
記入するときは名称を確認のうえ、正式名で記入します。
資格は取得していなくても一次のみ合格している場合や、取得に向けて勉強中のものがあれば記入してもよいでしょう。

志望動機

志望動機については、意外に思われるかもしれませんが、弊社では記載しないようにお願いしています。
志望動機は通常の面接では記載するのが一般的ですが、面接先の会社をよく調べずになりたい自分を記載してしまい採用を断られるようなケースがあります。
実例でいえば、個人在宅をやりたいと記載したが、面接先の薬局では個人在宅の対象者がおらず施設調剤のみ、採用側としては希望の仕事ができないことが原因で早期に退職してしまうのでは無いかと考え採用を見送りたいとなったケースです。
幸いこのケースでは、弊社のほうで企業側へ誤解を解き内定を頂き事なきを得ましたが、一見前向きで良さそうな内容が不採用理由になることもありますのでご注意いただきたいと思います。

本人希望欄

職種や勤務地、勤務時間、入社日などがあれば記入。 特に希望することがなければ「貴社規定に従います。」と記入してください。
皆様それぞれ心の中に希望があると思いますが、希望条件をすべて記載してしまっては採用見送りとなる原因になるケースも散見されます。
とは言え、希望する条件が通らなければ働くつもりは無いのは必然です。その場合は、差し障りの無い内容のものを1~2点程度記載してもよいと思います。
例えば、「週30時間勤務のパートタイムを希望します。」などです。
その他、残業不可や希望給与、希望する休日など絶対譲れない条件は弊社担当エージェントのほうで交渉させていただきますので、あえて書面に残す必要はありません。

いかがでしたでしょうか。
履歴書に関してしては、以上の点にご理解いただいて作成いただければより良い転職活動になると思います。
添削サービスや場合によっては応募書類作成のお手伝いなども行っておりますので、お気軽にお声がけください。